坊主バーで人生を学ぶ(過去のエリコ新聞お蔵出し)
人生に行き詰まった私は、先日、坊主バーに行ってきました。そう、モノホンのお坊さんがバーテンダーというバーです。坊さんが酒を売っていいのかなという疑問が頭をよぎりましたが、見なかったことにします
なかなか入りづらい店構え
坊主バーは中野にあります。
ブロードウェイのある北口のほう。雑居ビルの2階。
現世に疲れ果てた私は、坊さんのありがたいお言葉に癒されるべく、店に入ることに。チャージが1000円というお高さですが、徳の高い人に会うんだから仕方ない。
中に入ったら、徳の高い坊さんではなく、ビックダディが着るようなゆるい手書きの文字で「ありがとう」という言葉とお地蔵さんが描かれたTシャツを着たおっさんがいた。えー?袈裟着てるんじゃないの・・・
極楽に行きたい
私は早速、カウンターに座り、お酒を注文する。メニューはなかなかパンチが効いていて、「色即是空」「諸行無常」など仏教用語のお酒が並んでいました。他にも「生臭坊主」とか嫌な感じのものも。3年前の失恋から立ち直っていない私としては「愛別離苦」(愛するものと出会っても別れなければならない苦しみ、という仏教用語)にしようかと思ったのだけれど、高いので、「極楽浄土」にしました。1000円でヘブンに連れて行ってもらえるなら安いものです。
店内には、女一人に男二人のグループとかがいて、とても人生に思い悩んでいるようには見えません。ねえ、なんで両手に男がいる女と同じ空気を吸わなければいけないの?
私はお坊さんに速攻で話しかけました。
「生きているのが辛くて死にたいです」
なんだろうね、お坊さんとしても、仕事で酒を作っているのに、めんどくさい客が来たなと思ったと思います。ごめんなさいね。
でも、ビックダディのような坊さんは、クソめんどくさいメンヘラの悩みにも真面目に答えてくれました。
「人と比べるから落ち込むんだよ。自分が持っているものを見つめ直すといいよ」
意外といいこと言います。しかし、鬱モードの私はネガティブ思考が止まらず
「でも、やっぱり人と比べてしまいますよ。お金がないとか、彼氏がいないとか、家に帰ったら一人とか」
「俺はねえ、昔、自己破産したことがあるよ。自己破産するとねえ、銀行でお金かしてもらえないんだよ」
「はあ」
「たくさん借金しちゃってさ。自己破産して、事業を始めたくて銀行から借りたかったのに、お金かしてもらえなかったよ」
正直言って、お金がないからお金を借りるという思考回路が理解できません。返すあてがないのに借金?仏教ってそんなこと教えているの?
「そうですか・・・。あの、私、毎日寂しいんですけど、どうしたらいいですかね」
「毎日、仏法を学べば寂しくなくなるから」
今まで、寂しい場合はペットを飼えというアドバイスをもらったことがあるけど、仏法とは斜め上のリターンですね。いやでも、10代の時、めちゃくちゃ仏教書を読んだけど救われなかったから、あんまり効果ないんじゃないのかなって思います。
しかし、カクテルの極楽浄土が不味い。極楽っていいものじゃないという仏法の教えなんだろうか。そう思いながら、チビチビ飲んでいたものの、一時間しかカクテルは持たず、二杯目を頼むお金もなく、どうでもよくなってお金を払って家路に着いた。私が救われる日はまだまだ先である。
明日の7月6日からYouTubeでおジャ魔女どれみが放送されます!週一で更新されるそうなので、これを機におジャ魔女どれみをみんな好きになってほしい。一番好きなアニメです。(宮崎駿を除く)放送20周年なのに、あまり盛り上がっていない気がするので、もっと商品を出して欲しいし、バンダイでもタップやポロンをプロップリカで販売してほしい。
メルマガ、面白かったらSNSで拡散してもらえると嬉しいです。
小林エリコ個展(8月10日〜14日まで)*12日はお休み
会期:2022年8月10日〜14日まで(12日のみお休み)計4日
時間:12時から19時まで(10日のみ14時から)
作者在廊日:10日(水)13日(土)14日(日)
会場:ギャラリーharu
杉並区高円寺南3-42-14 フラワーコーポ103
(JR中央線・総武線高円寺駅下車、徒歩8分 ※中央線は土日は止まりません)
(メトロ丸ノ内線 新高円寺駅下車 徒歩12分)
***
新しい絵もこの間、制作しました!額装して販売します。値段は1万円から2万円の間くらいです。大きさはB2です。
オンラインショップ
「タケ漫画」絶賛発売中!
***
小林エリコの著作をよろしくお願いいたします。(アマゾンへの短縮URL)
デビュー作『この地獄を生きるのだ』(イースト・プレス2017)
『生きながら十代に葬られ』(イースト・プレス2019)
『わたしはなにも悪くない』(晶文社2019)
『家族、捨ててもいいですか?』(大和書房2020)
『私がフェミニズムを知らなかった頃』(晶文社2021)
『私たち、まだ人生を1回も生き切っていないのに』(幻冬舎2021)
*メールマガジンの無断転載を禁じます
すでに登録済みの方は こちら